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したい益田君その2





 熱に浮かされたその飴色の瞳を見つめると、その瞳を隠すように震えながら瞼が閉じられた。

ハァ―――

高い鼻梁を通り、唇を滑らせて何度口づけたか分からない紅色の唇に己のそれを重ねる。

ンッ――――

甘い声が漏れてほんの少し、その形の良い唇が開かれた。そこに舌を這わせると、ンッ・・・ンッ・・・・と可愛らしい声が上がる。

榎木津さん

僕は彼の人の名を呼び、それに答えるように唇を開き、内へ這入る事を許された。

湿っていて、柔らかく―――甘い。

夢中で吸う。

アッ・・・・ンッ・・・と高くも低くもない声が耳に響く。舌先は蠢いて相手の舌を絡めて更に声を上げさせる。

マスヤマ―――ッ

僕の名前(間違っているけども)を呼ぶ。僕はもう少しこの綺麗な唇を味わいたかったけれども、唇を滑らせ、首筋を巡り胸元へと吸い付く。

ハッ――――アン

手は胸の突起を二つとも弄る。左右強弱を付けて。

ヤッ・・・マスヤマッ

甘い吐息を吐いているのに嫌とは言わせない。指先でくりくりと弄ってもう片方は口に含むと、つんと尖った。柔らかな桃色が紅く変化を遂げて、背中をぶるりと震わせた。

アッアッ―――やめ・・・・

僕は震える身体を宥める様に背中を摩る。その間にも胸元を弄り続ける。

アアアッ―――もう、アッ

瞳に涙を溜めて僕を見つめてくる。・・・もう、お互い限界。僕も榎木津さんも、そこははち切れそうなほど高ぶっている。榎木津さんの高ぶりを掌に握り込むと、とろりと透明な蜜を流す。

ンン―――ウッ

眉を顰め、艶めかしい表情を見せられると、身体をずらし、舌先で蕾を突く。

ヤ―ッマスヤマッ

悲鳴に近い声を立てて両膝がバタバタと動く。両足を押さえ込むと、今度は髪を引っ張られる。

ヤッマスヤマ―――アア

舌で硬い蕾を解すとゆっくりと開いてゆく。そこは何度かヒクついた。

ウンっ―――アッ―――

指を入れて広げると堪らなくなり、両足を掴んで引き寄せて、益田自身をあてがう。

アアアアーーーマスヤマッ

ああ榎木津さんっ

ゆっくりと身を進める。熱く狭いそこは益田を締め付けてくる。堪らず腰を打ち付けると

アアアッ

と仰け反った。身体を支えて榎木津の唇を己の唇で塞ぐ。

アッアッアッ―――

突き上げる度に艶めかしい声を立てる。---凄く色っぽい。両腕を益田の身体に絡みつかせ、艶を帯びた表情を見せる。瞳は涙で濡れている。

ああ、綺麗です、榎木津さん。



「榎木津さん・・・」

はっと現実世界に戻された。ここは公園の茂みの中だ。・・・そうだった。浮気調査の真っ最中だったのだ。今日、お誘いを幸運にも頂けたものだからつい舞い上がって妄想に耽ってしまっていた。

下半身は情けない事にガチガチになっている。----何やってるんだろ、僕。兎に角仕事だ仕事。

そう思い、張り込みをしている茂みに座り直した。

ぴょーん。

 「ぴょーん?」

目の前の生い茂った草からそれは飛び出した。




 「きゃああああああっ」

益田を見て薔薇十字探偵社の探偵はひっくり返った。

 「あああ、やっぱり」

益田は泣きながら和寅の後ろへ回り込み身を隠す。

 「いやああああ、この竈馬マスカマダ男!」

 「ご、ごめんなさい茂みから竈馬が飛び出して来て・・・」

見ちゃいました。---そう、しっかり見てしまった。

 「出てけ!この竈馬男!」

 「そ、そんなあ、酷いですよウ今日、楽しみに帰って来たんですからね」

 「いやらしいぞ益田君、諦めて帰り給え」

和寅がくくくと楽し気に笑い、口を挟む。

 「み、見えないように後ろから、後ろからならどうでしょう」

 「何をいやらしい事を言って居るのかね」

和寅がぎょっとして益田を見る。

 「いやあああ、このバカオロカカマドウマ男!」

益田が榎木津ににじり寄り背後に廻る。

 「益田君、何をしようとしているのだね、いやらしい」

 「だって楽しみに帰って来たんですよ」

 「いやあああ」

益田が後ろから榎木津を抱き抱えるとふわりと唇を榎木津の頬に押し当てる。

 「え?」

 「やったあ、出来た、ほっぺにチュー!」

やった、やったと喜ぶ益田を尻目に和寅と榎木津は茫然としている。

 「え?それだけかね、益田君」

 「何がですか?だからほっぺにチューがしたいと言っているじゃないですか」

本当はいやらしい想像をしていた事は内緒にしておく。今はこれで十分なのだ。

やった、やったと喜ぶ益田を見て榎木津は溜息を吐く。竈馬の記憶は消えて、先程の事ばかり頭の上に浮かんでいる愚かな下僕を見て呆れ乍らも。見えぬ所で微笑んだ。



益田龍一が榎木津の自室へ入ることが許されたのはその次の日からだった。



                                     




























































































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益榎 | コメント(0) | 2018/08/28 11:09
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