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僕の可愛いおじさん 4話

 「大家さんにお粥を作ると言ったら、私にはハイカラ過ぎるからと言って呉れたのだ。」
確かに白地だがフリルがついていて、何だか。
 「可愛いです」
思わず益田がそう漏らすと
 「何だ、何か言ったか?」
益田は慌てて首を横に振り
 「いえ、何でもないです。それより何です?そのお粥ってのは榎木津さんが作ったのですか?」
 「うん、そうだ!僕が作った、お勝手を借りて作って来てやったのだ、有り難く食べなさい」
 「ええ?榎木津さんが?」
小鍋に入ったお粥と榎木津の顔を見比べながら、益田は心底驚いた。
 「はっははは・・・明日は天変地異が起こるかもしれないなあ、あんた料理なんかできるんですか?」
 「二十歳の時に家を追い出されてからは学校の寮以外は一人暮らしだ。和寅も僕が探偵を始める前までは実家に居たのだから、大抵の料理は作れるゾ!」
 「へええ、意外ですねえ」
益田は榎木津の顔をまじまじと見ようとしたが余りにも綺麗な顔をしているのでまともに見られなかった。
 「もうイイだろう!早く食べる」
 「は、はいい」
小鍋から木杓子でお粥を茶碗に移し、ふうふうと湯気の立ったお粥を冷まして口に入れる。ほんのりと塩味の優しい味が口内に広がる。
 「どうだ、旨かろう!」
 「は、はい、とても美味しいです!」
それにしても。今日の榎木津は何だか優しい。態度は相変わらず踏ん反り返っている様ないつもの態度だがーーーこれではなんだかーーーお嫁さんみたいだ。
あ、やばい、又、下半身が疼く。それというのも可愛らしいエプロンを榎木津が何のてらいも無く着ているからだ。普通はこんなの着れるかと、思うだろうが、この探偵は奇天烈な服装をたまにしている。とことん変人なのだ。かと言ってそれなりに似合ってしまうところもこの探偵の困った所なのだ。
 「ご、ご馳走様でした」
全てを腹に収めると再び横になった。疼く下半身を榎木津に悟られぬように布団を被る。・・・駄目だ、襲いそう。
 「おい、マスヤマ」
声を掛けられ
 「はいい?」
上ずった声を上げる。
 「お前、去年のお盆も今年の正月も実家に帰って居ないだろう」
思わぬ言葉を掛けられて益田は布団から顔を出す。
 「え、ええ、まあ、忙しかったですし。帰ろうかとは思ったんですがね、僕ァまだまだ助手として半人前ですし、人より働かないと」
 「お前なんか半人前以下だ、いいか、マスヤマ、僕と違ってお前は僕が居なければこのなあんにも無い部屋で野たれ死にして居たかも知れないんだぞ、お前の近くに親御さんが居るなら別だが。」
へっ?
 「風が治ったら実家に帰りなさい。お前なんか居なくてもこっちは全く困らないんだからな、むしろせいせいする。」
 「あ、あんた・・・」
益田は布団を跳ね除け榎木津を引き寄せる。
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益榎 | コメント(0) | 2018/10/18 14:05
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